ReactのonMouseDownとonClickの違いを完全理解する

今回は、ReactのボタンイベントにおけるonMouseDownとonClickの違いについて、詳しく解説していきます。

イベント発生のタイミング

onMouseDown

  • マウスのボタンが押された瞬間に発火
  • ボタンを離す前に発生
  • タッチデバイスでは画面に指が触れた瞬間に発火

onClick

  • マウスのボタンが押されて離された時に発火
  • つまり、クリック操作が完了した時点
  • タッチデバイスでは、タップ操作が完了した時点で発火

イベントの発生順序

  1. onMouseDown
  2. onMouseUp
  3. onClick

以下のコードで実際に確認してみましょう

function EventOrderDemo() {
  const handleMouseDown = () => {
    console.log('1. onMouseDown fired');
  };

  const handleMouseUp = () => {
    console.log('2. onMouseUp fired');
  };

  const handleClick = () => {
    console.log('3. onClick fired');
  };

  return (
    <button
      onMouseDown={handleMouseDown}
      onMouseUp={handleMouseUp}
      onClick={handleClick}
    >
      イベント順序を確認
    </button>
  );
}

結果
// 1. onMouseDown fired
// 2. onMouseUp fired
// 3. onClick fired

使用場面の比較

onMouseDownが適している場合

即時レスポンスが必要な場合

  • ゲームのコントロール
  • ドラッグ&ドロップの開始
  • カスタムスライダーの操作

複雑なインタラクション

  • マウスの移動を追跡する必要がある操作
  • カスタムドローイングツール
function DrawingCanvas() {
  const [isDrawing, setIsDrawing] = useState(false);

  const startDrawing = (e) => {
    setIsDrawing(true);
    // 描画開始処理
  };

  return (
    <canvas
      onMouseDown={startDrawing}
      onMouseUp={() => setIsDrawing(false)}
    />
  );
}

onClickが適している場合

  1. 一般的なUIインタラクション
  • フォーム送信
  • メニューの開閉
  • モーダルの表示/非表示
  1. アクセシビリティが重要な場合
  • キーボード操作との互換性が必要な場合
  • スクリーンリーダーでの使用
function SubmitForm() {
  const handleSubmit = () => {
    // フォーム送信処理
  };

  return (
    <button
      onClick={handleSubmit}
      aria-label="送信"
    >
      送信する
    </button>
  );
}

重要な注意点

1. イベントのキャンセル

onMouseDownイベントをキャンセルすると、対応するonClickイベントは発生しません

function CancelableButton() {
  const handleMouseDown = (e) => {
    e.preventDefault(); // この場合、onClickは発火しない
  };

  const handleClick = () => {
    console.log('このログは表示されません');
  };

  return (
    <button
      onMouseDown={handleMouseDown}
      onClick={handleClick}
    >
      テスト
    </button>
  );
}

2. モバイル対応

  • タッチデバイスでは挙動が異なる場合があります
  • タッチイベントとマウスイベントの両方に対応する必要がある場合は、適切なポリフィルやライブラリの使用を検討してください。

3. パフォーマンスへの影響

  • onMouseDownは、onClickよりも早く反応するため、パフォーマンスクリティカルな操作に適しています
  • ただし、不必要に両方のイベントを使用すると、パフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。

4. パフォーマンスへの影響

  • API通信を行ったり削除やキャンセルボタンなど重要なところで、onMouseDownはクリック時点でイベントが発火するため、キャンセルができないです。そういった場面ではonClickが最適です。

5. キーボードによる実行

  • ブラウザのタブ移動かつ、スペースバーによるイベント発火ができるようにする必要がある場面がありますが、onMouseDownはマウスクリックによるイベント発火のため、この場面では利用できません。そういった場面ではonClickが最適です。

まとめ

  • onMouseDownは即時性が必要な場合に適している
  • onClickは一般的なUIインタラクションに適している
  • アクセシビリティを考慮する場合はonClickを優先
  • モバイル対応を忘れずに
  • パフォーマンスとユーザー体験のバランスを考慮して適切なイベントを選択する

これらの違いを理解し、適切なイベントハンドラを選択することで、より良いユーザー体験を提供できます。

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